国連世界水環境報告書2026は、「Water for All People: Equal Rights and Opportunities」と題した報告の中で、「水へのアクセスにおける不平等」と「ジェンダー不平等」が密接に結び付けており、その解消が持続可能な開発目標(SDGs)、特にSDG6(安全な水と衛生)およびSDG5(ジェンダー平等)の達成に不可欠であることを、豊富なデータと事例に基づき示しています。
詳細は、3月26日に公開された、公開レポートをご覧ください。
世界では依然として21億人が安全に管理された飲料水を、34億人が適切な衛生サービスを利用できておらず、水不足や水質悪化の影響は女性や少女に不均等に及んでいます。
多くの国・地域では、家庭用水の確保や管理、衛生維持といった無償労働を女性や少女が担っており、教育や就業機会の制約、身体的・精神的負担、さらには暴力や健康リスクの増大を招いています。一方で、水分野の意思決定やガバナンスにおける女性の参画は限定的で、上下水道事業体や水資源管理機関における女性管理職・技術職の割合は2割未満にとどまる例も多いようです。こうした構造的格差は、水管理の有効性や持続性そのものを損なっていると指摘しています。
報告書は、飲料水・衛生、農業、産業・エネルギー、気候変動と水害・干ばつ、生態系保全といった主要分野ごとに、水とジェンダーの関係を分析しています。農業分野では、土地・水利権へのアクセス格差が女性農業者の生産性や食料安全保障を低下させていること、産業分野では職場の衛生環境や雇用機会の不平等が課題であることが示されています。気候変動や水関連災害においては、女性や少女がより高い被害リスクにさらされる一方、適切な早期警戒や復旧プロセスに十分に参画できていない現状が指摘されています。
これらの課題に対し、報告書は単なる技術的解決策ではなく、法制度、政策、投資、教育、データ整備を含む包括的かつジェンダー主流化されたアプローチを提唱しています。特に、性別・年齢別データの整備、女性のリーダーシップ育成、参加型ガバナンス、ジェンダー配慮型財政・投資の重要性を強調しています。
結論として、水分野におけるジェンダー平等の実現は社会正義の問題にとどまらず、水管理の効率性・レジリエンス・持続可能性を高め、すべての人に恩恵をもたらす基盤であると訴えている。
