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水再生利用のための意思決定支援ツール「POSEIDON」ついて

 北西スイス応用科学芸術大学(FHNW)生命科学学部のエコプレナーシップ研究所(Institute for Ecopreneurship)では、循環型経済への貢献の一環として、水資源管理に関する技術の総合的なライフサイクル評価(LCA/LCC)に関連し、水再生利用のための意思決定支援ツール「POSEIDON」を開発しています。Prof. Christoph Hugiが造水センターで7/8(火)に講演した情報をもとに、概要を紹介します。

 

(1)POSEIDONツールの目的

  • 再生水の用途に適合する処理システムを主に経済性(LCC)に基づき選定し、採用判断を支援する。

(2)ツールの機能とユーザーによる使い方の概要

1.平均基準データ(入力済情報、データ)

  • 典型的な排水の水質および再利用のための水質基準に関する情報
  • 単位プロセス(約40種)と代表的水質の除去率
  • 典型的な処理システムフロー(約60種):例えばTitle 22情報など
  • 処理システムの評価規準(水質基準、環境性要件、LCC)に基づく半定量評価点

2.ユーザーによる入力データ

  • 原水水質
  • 最終利用水質
  • 水量など

(3)アウトプット

  • 各水質パラメータの除去性能を推定し、用途に適合する可能性のある処理システムフローを、LCCを中心とする評価基準に従ってランク付けし、推奨順に提示する。

(3) さらなるツール改善、信頼性向上の可能性

  • より多くの水再利用実処理、実証試験の結果との整合性を検証し、修正・精度向上を図る。
  • 高水質の再生水用途(シャワーや手洗い利用)や、新規物質に関する水質、除去率データを追加し、機能向上、適用範囲の拡大を図る。
  • 処理システムの評価規準について、ISO 20468(処理技術の性能評価)との整合を検証する。

(4) ツールのWeb公開サイト(https://waterreuseperu.github.io/PoseidonWeb/

  • 無料で自由に利用が可能。ただし、新規情報、データの追加(カスタマイズ)には許可が必要。

上記内容の詳細問合せ先:

一般財団法人造水促進センター 技術部 中村技術部長(h.nakamura@wrpc.jp)