「Thermodiffusive desalination」という論文が科学ジャーナル「Nature Communications」の2024年4月に掲載されている。オープンアクセスであるため、
Thermodiffusive desalination | Nature Communications
で閲覧可能。著者は、オーストラリア国立大の研究グループ。内容は、thermodiffusion を利用して太陽熱だけで海水から低塩濃度水を得るシステムの実用可能性を示した、というもの。論文では理論計算とモデル実験の結果を基に実用システム構成の概念を提案している。なお、Termodiffusionというのは水などの媒体に熱対流が生じない程度の温度勾配がある時に、媒体中の分子が高温側から低温側に移動する現象。媒体中の微粒子に関する同様の現象を「Ttermophoresis 熱泳動」と呼ぶ。要は媒体(海水の場合は水)中の微粒子や分子には常に媒体分子が衝突し、温度が高い側での大きな運動エネルギーの媒体分子による衝突と低温側で低運動エネルギーの媒体分子による衝突とで生じる力の差で微粒子や分子が低温側に移動する、というもの。この論文についてはIDRAホームページ中のCorporate Member and Industry Newsコーナー
Corporate Member and Industry News - Idadesal
でも紹介されている。