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第9回JDA Round Talkを終えて

東京工業大学の山口教授をお招きして、「水素時代を見据えた技術課題の克服と将来展望」について勉強しました。2050年の世界と課題から浮き彫りなる社会問題に対する「貢献する技術」として、

  1. エネルギー問題への「水電解・燃料電池」
  2. 人口問題への「在宅病気診断膜」
  3. 逼迫する水問題への「汚れない水処理膜」

以上を設定頂きました。海外で進む再生可能エネルギーの低価格化と、国家プロジェクトとして各国で表明される水素戦略を受けて、新水素産業立国のシナリオを紹介いただきました。当面は輸送コストが大きいことから水素の地産地消を原則するモデルが主流と予測しながらも、将来は各国の政策支援により水素製造価格が大幅に低下し海外の水素メジャーがけん引した安価な海外水素が国際市場で流通する時代に備える必要性を理解することができました。

 

大型化で先行するアルカリ型水電解、固体高分子型水電解の大型化が進み、将来のアニオン交換膜による大型化も期待が高まり、耐久性の向上も進むと見込まれており、水電解技術は時間軸の中で技術の層が厚くなる期待を抱きました。まさに、山口教授および研究チームは、次世代の水電解技術を支える金属触媒をはじめ素材開発に低コストや環境低負荷といった側面と、最新のマテリアルズインフォマティクスを活用した高効率な開発側面を併せ持って、上記社会問題への解決を研究室から発信されており、感銘を受けました。情熱に圧倒された、あっという間の90分でした。